ぶらあび

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パリ・オペラ座のすべて

【題名】パリ・オペラ座のすべて
【監督】フレデリック・ワイズマン
【出演】パリ・オペラ座エトワール、ダンサー
    ブリジット・ルフェーブル
    パリ・オペラ座職員 ほか
【料金】TUTAYA 旧作100円
【感想】
晴れて病院を退院しましたが、未だ社会復帰はできそうもありません。今日もTUTAYAの旧作100円レンタルで映画「パリ・オペラ座のすべて」を借りてきて再視聴したので、その感想を簡単に書き残しておきたいと思います。

世界のバレエ界の頂点に君臨するパリ・オペラ座バレエ団のドキュメンタリー映画です。基本的にインタビューなどは挿まず、ひたすらパリ・オペラ座の日常を映します。花形のエトワールだけに焦点があてられているのではなく、無名のダンサー達から、衣装、美術、照明、メイクなど裏方の日常も映し、果てはマネージメント、事務、清掃に至るまでパリ・オペラ座に関係している全ての人に視線が向けられています。さらに屋上で養殖されている蜜蜂や地下の水路まで映され、字義通り「パリ・オペラ座のすべて」を映すことに拘った内容になっています。バレエ団の日常が映し出されているだけなので劇的に話が展開することはなく上映時間(3時間)は些か冗長には感じますが、これまで観ることができなかったバレエの殿堂の内側をじっくりと観察できるので興味は尽きません。但し、総花的な内容で、例えば、エトワールやダンサーが抱える悩みに迫るなど深堀りされた内容にはなっていませんので、そういう面では大いに不満を感じます。

パリ・オペラ座バレエ団は芸術監督のルドルフ・ヌレエフさんを中心として堅く結束していることがこの映画から伝わってきます。これまで芸術監督の仕事を詳細には把握していませんでしたが、仕事の内容は多岐に亘り、バレエ団の高いクオリティを維持するうえで重要な役回りを担っていることが分ります。モーリス・ベジャールさんの名言「バレエダンサーは修道女でボクサーのようなもの」という言葉が引用され、ダンサーは清い心と強い肉体が必要なため、(個人差はあるものの)45歳位までが肉体的な限界で、パリ・オペラ座バレエ団のダンサーは40歳で定年を向えるそうです(何とパリ・オペラ座バレエ団を定年で引退したダンサーは40歳から年金が支給されるらしく、フランスならではの手厚い文化保護政策に日本との大きな違いを感じさせられます。)。また、ヌレエフさんは若いダンサーがモダンバレー(現代的な振付)に興味を示さない傾向があることを危惧されていたのが興味深かったです。この映画が作られてからも状況は変化しており、最近ではどこのバレエ団でも古典とモダンを織り交ぜてレパトリーの充実に努めていますので、若いダンサーの意識も随分と変化しているのではないかと思います。

この映画を観ると一つの舞台ができるまでにどれだけ多くの手間隙と人々の想いが込められているのか再認識できます。

サン=サーンス「瀕死の白鳥」
現在87歳になる現代最高のダンサーと言われたマイヤ・プリセツカヤさん(当時61歳)の白鳥をご覧下さい。このバレエを詳しくご存知ない方でも、このダンスから色々なものを感じ取ることができると思います。どれだけ言葉を尽くしても、プリセツカヤさんがダンスで表現しているだけのことを観客に伝えることは難しいと思います。ダンスだけで、これだけのことを表現できてしまうのです。プリセツカヤさんの磨き抜かれた至芸です。

◆おまけ
音源を探すのも結構大変なので、定番中の定番の筆頭にあがるような曲をアップしておきます。(念のため、指揮者は西川きよしさんではありません..。)今、俄かにBWV番号を思い出せないので音源をアップできませんが、ヘンデルの真骨頂がオペラにあるとすれば、バッハの真骨頂はカンタータにあり、200曲以上あるカンタータは名曲の宝庫と言えます。(一応、僕は全曲持っています..)

◆番外
この映像はプロモーションビデオですが、なかなか良い出来なのでアップしておきます(iPhoneでは上手く視聴できないようなので、PCで視聴して下さい。)。意外とバッハを扱ったマトモな映画がありません。なお、某ブログ(http://takashichan.seesaa.net/article/238264116.html)でバッハを扱った映画をまとめていますので、ご参考まで。