大藝海〜藝術を編む〜

言葉を編む「大言海」(大槻文彦)、音楽を編む「大音海」(湯浅学)に肖って藝術を編む「大藝海」と名付けました。伝統に根差しながらも時代を「革新」する新しい芸術作品とこれを創作・実演する無名でも若く有能な芸術家をジャンルレスにキャッチアップしていきます。

オペラの終焉

【題名】オペラの終焉
【著者】岡田暁生
【出版】ちくま学芸文庫
【発売】2013年12月10日
【値段】1365円
【感想】
ソフトバンクは今年発売45周年を迎えるスナック菓子「カール」を販売するMeijiとコラボして、ソフトバンクショップで“つなカール”を無料配布しています。“つなカール”とはツナ味のカールのことではなく、ソフトバンクが「つながりやすさNo1」を受賞したことを記念して“つながる”と“カール”を文字って作った商品名(キャッチ)のようで、確かに“カール”のように「サクサク」と音が聞こえてくるくらいソフトバンクはよくつながります。ご案内のとおり“カール”はポップコーンに着想を得て誕生したトウモロコシを原料とするスナック菓子ですが、僕らお父さん世代にとってはカルビーの“かっぱえびせん”と共に「昭和の味」として我々の舌に強烈に刻まれているスナック菓子の金字塔とも言うべき時代の名品です。アニメにしろ、菓子にしろ、平成に入ってから昭和の産物がリメイクされて注目されるようになってきましたが、昭和の時代は我々日本人が世代を超え、時代を超えて受け継がれて行く何か(風俗流行を超越した文化的価値)を造り出すだけの創造力を持ち得ていた時代であったと言えるかもしれません。某指揮者を彷彿とさせる泥棒髭がチャームポイントのカールおじさん(今年で大石内蔵助の享年と同じ年)をはじめとして時代の風雪を耐えて長く愛されるキャラクター(ペコちゃん、キティーちゃん、ケロヨンetc.)も、昭和の時代に多く生まれたように感じます。果たして平成の時代は次世代へ受け継いで行けるような時代を代表する何かを創造し得ているのでしょうか。その意味でも今回のソフトバンクの広告宣伝、販売促進策に見る「遊び心」(創造力の源泉)は大切にしたいと思います。因みに、“つなカール”の配布は在庫がなくなり次第終了になるようなので、未だ“つなカール”を貰っていない方はソフトバンクショップへ急ぎましょう!


左から“つなカール”と“つなカール(正月パッケージ)”、ソフトバンクスマホがサクサクとつなカールのひみつ(表面、裏面)、発売45周年を迎えた本物“カール”、さらにLINEで使える“LINEスタンプ”もLINEアップ!!

左が本物の“カール”、右が“つなカール”(ちびっこカールですが、味は本格的!)



さて、今年は、ヴェルディワーグナー生誕200年記念に加えて、世阿弥生誕650年記念、近松門左衛門生誕300周年という総合舞台芸術にとって大変に貴重な年になりました。そこで、今年一年を締め括る意味で、西洋の総合舞台芸術である“オペラ”について興味深い題名の本が出版されたので、その感想を東洋の総合芸術である“能楽”に絡めながら書いてみたいと思います。



続く。

◆おまけ
R.シュトラウスの歌劇「バラの騎士」第2幕をクライバーの名演で。

ワーグナーの初期の作品である歌劇「妖精」第1幕より。録音状態は悪いですが..。

ヴェルディの歌劇「オテロ」より。プライドの高さゆえに猜疑心に心乱して行く弱い男をドミンゴが見事な演技力と歌唱力で好演。