大藝海〜藝術を編む〜

言葉を編む「大言海」(大槻文彦)、音楽を編む「大音海」(湯浅学)に肖って藝術を編む「大藝海」と名付けました。伝統に根差しながらも時代を「革新」する新しい芸術作品とこれを創作・実演する無名でも若く有能な芸術家をジャンルレスにキャッチアップしていきます。

コルンゴルト 歌劇「死の都」

【題名】コルンゴルト 歌劇「死の都」
【出演】<Sop>アンゲラ・デノケ(マリエッタ/マリーの声)
    <Ten>トルステン・ケルル(パウル
    <Br>ユーリ・バツコフ(フランク/フリッツ)
    <Ms>ビルギッタ・スヴェンデン(ブリギッタ)
    <Sop>バルバラ・バイアー(ユリエッテ)
    <Ms>ユーリア・エスヒ(ルシエンネ)
    <Ten>クリスティアン・バウムゲルテル(ヴィクトリン)
    <Ten>シュテファン・ゲンツ(フリッツ)  
    <Chor.>ライン国立歌劇場合唱団
    <C_Cond.>チン=リェン・ウー合唱指揮
【楽団】<Orch.>ストラスブール・フィルハーモニック管弦楽団
    <Cond.>ジャン・レイサム=ケーニック指揮
【演出】インガー・レヴァント
【収録】2001年、ライン国立歌劇場
【音盤】Naxos/3,298円
【感想】
どのようなお正月をお過ごしでしょうか。お節やお屠蘇、お雑煮にはそろそろ飽きて、甘い物が欲しくなって来た甘党のあなたへ朗報!銀座コージーコーナーでは、“スイーツ初め”と銘打って1月1日から5日までの期間限定でお正月向けのスイーツを販売しています。今年の目玉は「初夢の赤富士ケーキ」でして、初日の出に染まった赤富士をイメージし、な...何と!チョコスポンジとフランボワーズジャムで濃厚チョコムースをサンド❤ 富士山麓産の練乳入りフォンダンクリームをたっぷりとかけて雪化粧した開運ケーキです。一般に初夢の縁起物として“一富士、二鷹、三茄子”と言いますが、お目出度い紅白に彩られた赤富士ケーキを見ていたら、葛飾北斎富嶽三十六景「凱風快晴(がいふうかいせい)」(通称、赤富士)が連想され、ケーキを買った帰りに大胆にも自宅近くで撮影を敢行しました。スマートな北斎の赤富士に対し、ややメタボ気味の赤富士ケーキのシルエットですが、飽食の時代に生きる平成の日本人を風刺するフォルムと言えましょうか。北斎の赤富士は「凱風」(南風)と銘打たれているように遥か上空の風を感じさせる秋の“いわし雲(上層雲)”を描くことで天に届くような富士の高さを強調する効果を生んでいるのに対し、今日は昼間の“おぼろ雲(中層雲)”(おぼろ雲がお月様にかかると“おぼろ月夜”)が僅かに残る穏やかな快晴で(因みに、皆さんは雲の名前を幾つ知っていますか?)、何やら空の違いが時代の勢い(又は江戸と東京の気質)の違いを象徴しているようにも感じられます(とこじつけてみました)。


左から本日撮った平成版富嶽三十六景「まいうー快食」(韻を踏むだけの馬鹿っぽいネーミングに見えますが、一応、飽食の時代を象徴する標題にしてみたつもりです)と富嶽三十六景「凱風快晴(がいふうかいせい)」(通称、赤富士)、昨年末に撮った平成版富嶽三十六景「海ほたる沖超合金巨大ドリル裏」と富嶽三十六景「神奈川沖浪裏」大浪をドリルに換えて大胆な遠近法を使った構図を真似てみました。江戸から変わらぬ夕焼けと富士、江戸にはなかったランドマークタワー、飛行機、タンカーの影を対比して空間(奥行+高さ)の遠近感に加えて時間(時代)の遠近感も写し込んでみました。これから平成版富嶽三十六景と題して平成になって様変わりした富士山を取り巻く景色の変化と庶民の文化風俗の変化等を撮りきってみたいと思っています。

ところで、銀座コージーコーナーの“スイーツ初め”では正月に因んで新作の和風洋菓子(「鏡餅ケーキ」、「スイーツおせち」etc.)も販売していますが、最近では伝統と創作を巧みに調和した視覚にも味覚にも訴える面白い和洋菓子を頂く機会が多くなってきました。和菓子は茶の湯の歴史と深く関わっていますが、もともと茶の湯の文化は今年没後800年を迎える栄西禅師が鎌倉時代(1191年頃)に大陸から持ち帰って伝えたことが始まりとされ、茶の湯の流行と共に和菓子も発展してきました。そこで、この機会にブログの枕として和菓子と洋菓子について簡単に何か書いてみたいと思います、、、続く。


左から今年の我が家の「鏡餅」(鏡餅ケーキ)と「お節」(スイーツおせち)、ついでに元日に初詣を終えて立ち寄った鴨川の海で初日の出に向って波乗りするサーファー達を撮影

さて、来年、いよいよ新国立劇場コルンゴルトの傑作と名高い歌劇「死の都」が採り上げられることになり話題になっていますが、その予習も兼ねてケーニック指揮の好演を収めた音盤を聴いてみたくなったので、その感想とその他のコルンゴルトの歌劇について簡単に書いてみたいと思います。まだまだメジャーとは言い難いコルンゴルトの歌劇ですが、銀座コージーコーナーのスイーツに劣らない甘美で陶酔感のある音楽を召し上がれ❤

コルンゴルト:歌劇「死の都」 [DVD]

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現在、執筆中。続く。

死都ブリュージュ (岩波文庫)

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◆おまけ
新国のホームページとYou Tubeに音源がアップされていますのでリンクします。プッチーニやリヒャルトシュトラウスを彷彿とさせる甘美な音楽にお屠蘇気分で酔いしれて下さい。

http://www.nntt.jac.go.jp/opera/dietotestadt/