大藝海〜藝術を編む〜

言葉を編む「大言海」(大槻文彦)、音楽を編む「大音海」(湯浅学)に肖って藝術を編む「大藝海」と名付けました。伝統に根差しながらも時代を「革新」する新しい芸術作品とこれを創作・実演する無名でも若く有能な芸術家をジャンルレスにキャッチアップしていきます。

ザルツブルク音楽祭「聴くことの学校」(全3日)

【題名】ザルツブルク音楽祭「聴くことの学校」(全3日)
【講題】現象による響き(1日目)
    指揮とオーケストラ(2日目)
    響きと構造(3日目)
【出演】ダニエル・バレンボイム(全3日)
    ロビン・ティチアーティ(2日目)
    ピエール・ブーレーズ(1日目)
【演奏】ウェスト=イースト・ディヴァン・オーケストラ(全3日)   
【演目】ベートーヴェン レオノーレ序曲第3番 Op.72a(1日目、2日目)
    シェーンベルク 管弦楽のための変奏曲 Op.31(1日目)
    バルトーク 4つの管弦楽曲 Op.12(3日目)
【収録】2007年8月 ザルツブルク大学講堂(全3日)
【感想】
今日8月8日は「ピアノの日」(ピアノの鍵盤数が88鍵なので)だそうです。1700年頃にクリストフォリによってピアノ(当時の名称はクラビチェンバロ・コル・ピアノ・エ・フォルテで、音の強弱を出すことの出来るチェンバロの意味)が発明されたときの鍵盤数は54鍵しかありませんでしたが、それから約200年を経て88鍵まで増え、それ以来、ピアノの鍵盤数は88鍵で定着しています。これは人間の耳が音程として聴き分けられる音域が約20ヘルツから約4000ヘルツまでなので、これ以上、ピアノの鍵盤数を増やしても人間にはノイズとしてしか聴き取れないことが理由のようです。ピアノという楽器の発展史から、作曲家の表現意欲とピアノという楽器の改良との関係、ピアノという楽器の改良とピアノ曲の表現可能性の拡大、更にそれによる作曲家の作風の変化との関係等を調べてみると、これまで聴き馴れてきたはずのピアノ曲の異なった魅力(とりわけモダンピアノとピリオドピアノ(作曲当時に使用されていた楽器と同じタイプの楽器)で演奏した場合に同じ曲から感じられる魅力や感興の違い、ピアノの発展史の過程でモダンピアノと比べてピリオドピアノが内包していた機能的制約と作曲法や演奏法との関係を踏まえてその曲が本来持っている等身大の魅力を再認識する新鮮な発見と面白味など)を感得し、感動を新たにする契機になるかもしれません。以下に参考図書をご紹介しておきます。なお、浜松市楽器博物館にはピアノをはじめとして色々な年代の楽器が展示されていますので、お子さんがいらっしゃる方は夏休みの自由研究で訪れてみるのも良いかもしれません。色々な年代の楽器の実物(レプリカ)を見ながらそれらの発生史、発展史を紐解いていけるので興味深いです。

カラー図解 ピアノの歴史---作曲家が愛した、当時のピアノで奏でるCD付

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ピアノはいつピアノになったか? (阪大リーブル001)【CD付】

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上段左から、1枚目:金谷方面から「東京湾観音」(千葉県富津市)の遠景を撮影。東京湾観音は高さ56m(20階建て相当)ですが、「大船観音」(神奈川県大船市)が25m(胸像)で、僕が1m80cm、ガンダムが18m、ウルトラマンが40m、キングコングが45mなので如何に大きいかが分かります。「牛久大仏」(茨城県牛久市)が高さ120m(世界3位)なので、関東の仏像ではこれに次ぐ大きさになります。参考になりませんがご参考まで。2枚目:東京湾観音の中景を撮影。手前の樹木と対比すると、その大きさが分かると思います。3枚目:東京湾観音の蓮台の下にあるミニチュアの東京湾観音です。このミニチュアは僕の身長と同じくらいの大きさなので、如何に東京湾観音が大きいかが分かると思います。4枚目:東京湾観音の近景を撮影。斜陽をバックに撮影しましたが、まるで救世観音の後光(後光とは仏様がその徳の高さから自然と体から放射される光のことを意味しますが、頭の後ろにある後光を「頭光」、身体の後ろにある後光を「身光」と言います。)のようです。5枚目:東京湾観音の内部に安置されているマリア観音。江戸時代の禁教令で弾圧されたキリシタン聖母マリア観音菩薩に仕立て秘かにキリスト教を信仰した名残です。なお、東京湾観音の内部は螺旋階段になっていて頭上まで登れるようになっていますが、下から「天部」(古代インドの神々から生まれた七福神帝釈天、韋駄天、摩利支天など)→「明王」(如来が姿を変えて人々を救う姿)→「菩薩」(お釈迦様が修行中だった頃の姿)→「如来」(お釈迦様が悟りを開いた後の姿)の順番に23体の仏像が安置されていて仏界が表現されています。
下段左から、1枚目:東京湾観音の腕(13階建て相当)から金谷港方面を撮影。「湘南平」(神奈川県平塚市)や「魚見塚展望台」(千葉県鴨川市)では永遠の恋を誓ってカップルの名前を書いた南京錠を鎖に付けると二人の仲は固く結ばれて恋が成就するという伝説がありますが、それらと同様に東京湾観音にもカップルの名前が刻まれた南京錠が❤ 2枚目:東京湾観音の頭上(19階建て相当)の天界から三浦半島方面の地上界を撮影。海風が強いと呼吸が困難になるほどの高所です。3枚目:東京湾観音の耳(17階建て相当)から富津岬方面を撮影。4枚目:大佐和海岸(富津岬近く)に1人佇み、メランコリックに夕陽を撮影。


ブログの枕として仏教について書きます。続く。




上段左から、1枚目:東京湾フェリーの金谷港フェリーターミナルの駐車場に設置されている恋人の聖地「幸せの鐘」です。夕暮れ時にカップルで鐘を鳴らすと永遠の恋が成就するという伝説があります❤ 鐘の下に浮ぶのが東京湾フェリーの船影で、海の彼方に薄っすらと見えるのが三浦半島です。東京湾アクアラインができましたが、ペリーが来航した東京湾浦賀水道)を遊覧する船旅も風情があって良いものです。2枚目:鋸山(千葉県安房郡)の稜線。江戸時代から良質な房州石の産地として知られ、石切り場の跡がノコギリの歯形のように見えることから命名されたそうです。江戸時代の人はどのようにしてあれだけの高地であれだけの巨大な岩肌から石を切り出し下界まで運んだのか、その遺構から石切り職人達の壮絶な生き様が偲ばれます。鋸山の上空に“白夜月”(日没に見える月のこと、日出に見える月は“有明の月”)と成田国際空港へ向う飛行機が見えます。写真をクリックしないと小さくて見え難いかもしれませんが、僕の好きな漢詩山中月」(眞山民)を添えておきます。3枚目:鋸山のロープウェイ乗り場から東京湾浦賀水道)を一望。対岸に見えるのが三浦半島です。4枚目:鋸山の山頂にある石切り場跡、通称「地獄のぞき」。あの先端(親子が写っているところ)まで行って写真を撮ろうとアプローチしてみましたが、あの根元あたり(先端まで下りられず躊躇している3人の姿が写っているあたり)で腰が抜けて断念。お好きな方はどうぞ。
下段左から、1枚目〜4枚目:日本の棚田百選に認定されている「大山千枚田」(千葉県鴨川市)の棚田です。正しく“神のキャンバス”と形容したくなるような心を奪われる美しさです。棚田は“小さなダム”と言われるように保水機能を持っていますが、棚田に水が張られる田植えの時期(ゴールデンウィーク頃と思われます)も美しいので、その時期を狙って再訪してみたいと思っています。女優の井上真央さんが主演され、実話を元に作られた映画「八日目の蝉」で棚田の夜祭りシーン(香川県の中山千枚田)が使われていましたが、大山千枚田の夜祭りは2014年10月17日(金)〜19日(日)に予定されていますので、ライトアップされた棚田の幻想的な夜景をお楽しみあれ。


ブログの枕として米について書きます。続く。


さて、ブログの枕が長くなりましたが、そろそろ本題を書きたいと思います。


概要と感想を書きます。続く。


◆おまけ
「ピアノの日」を記念して、昨年、ヤマハで開催された「むかしむかしの素敵なピアノ 〜19世紀に咲いた華〜』展ピアニストの小倉貴久子さんがクリストフォリの発明したピアノ(クラビチェンバロ・コル・ピアノ・エ・フォルテ)のレプリカを実演された際の模様がYouTubeにアップされていたのでご紹介しておきます。

東京湾観音像に因んで観音経をアップしておきます。今年の正月に日蓮宗大本山清澄寺」(千葉県鴨川市)に御来光を拝みに行った際に日蓮宗の高僧と檀家の皆さんが団扇太鼓を打ち鳴らしながら一斉に題目を唱えられていましたが、澄んだ声で唱和されるお経は信仰心に貫かれた揺るぎない信念のようなものを感じさせる迫力があり(清澄山から臨む峰々に木霊し、宛ら十万浄土に響き渡るような唱題は生で聴くと圧倒されます。是非、ご一聴あれ。)、鳥肌を覚えたことが印象深く思い出されます。以前、野村萬斎さんがMANSAI@解体新書で三番叟について語られた中で「揉之段で肉体を極限の状態まで持って行って体を空洞化させ、鈴之舞で面をかけることで自我を消し去る感覚にな」り、これによって「依代」としての「身体」が出現するという趣旨のことを仰っていましたが、何時間にも亘り隙のないリズムに合わせてお経を唱える唱題行にも全く同じようなことが言えるかもしれません。最近は声明(キリスト教の讃美歌に相当する仏教音楽で、お経をリズム(節)やメロディー(抑揚)に合わせて唱えること)のコンサートも盛んで、クラシック音楽とコラボレーションした演奏会も行われるようになりましたので、信仰・修行としての仏教音楽に加えて芸術としての仏教音楽を見直してみるのも面白いかもしれません。