大藝海〜藝術を編む〜

言葉を編む「大言海」(大槻文彦)、音楽を編む「大音海」(湯浅学)に肖って藝術を編む「大藝海」と名付けました。伝統に根差しながらも時代を「革新」する新しい芸術作品とこれを創作・実演する無名でも若く有能な芸術家をジャンルレスにキャッチアップしていきます。

〜名曲を楽しむ午後のひととき〜 みなとみらいクラシック・クルーズ Vol.18 ティータイム・クルーズ 東京フィルハーモニー交響楽団首席奏者たちによる弦楽五重奏

【演題】〜名曲を楽しむ午後のひととき〜 みなとみらいクラシック・クルーズ Vol.18
    ティータイム・クルーズ 東京フィルハーモニー交響楽団首席奏者たちによる弦楽五重奏
【演目】ドヴォルザーク スラブ舞曲第1番
    ドヴォルザーク 弦楽五重奏曲第2番より第一楽章
    ドヴォルザーク テルツッェトより第3楽章
    ドヴォルザーク 弦楽四重奏曲第12番「アメリカ」より第2楽章
    ブリッジ ロンドンデリーの歌
    スメタナ 歌劇「売られた花嫁」より“道化師の踊り”
  〜 アンコール 〜
    エルガー エニグマ変奏曲より第9変奏曲「ニムロッド」  
【出演】<1stVn>荒井英治
    <2ndVn>戸上眞理
    <Va>須田祥子
    <Vc>服部誠
    <Cb>黒木岩寿
【会場】横浜みなとみらいホール
【開演】14時30分〜
【料金】800円
【感想】
今日は横浜に所用があり、その合間にタイミング良く演奏会があったので立ち寄ることにしました。東フィルの首席奏者による弦楽五重奏の演奏会でしたが、何を隠そう僕はセカンドトップの戸上さんのファンでして、あの豪快な弾きっぷりにはいつも惚れ惚れとしてしまいます..(*^^*) 偶々、アンコールで僕の好きなエルガーの音楽が演奏されました。(いい年をして青臭いことを書くようですが)生きていれば色々と辛いことがあるし、長い人生には嵐のときもある、それでも人生って素晴らしいものだよ..と、いつも優しく包み込んで励ましてくれる、それが僕にとってのエルガーの音楽です。エルガー交響曲第1番の第一楽章を聴いていると、いつも胸を張って生きて行こうと勇気付けられます。人生にとって本当に大切なものは何なのかを思い出させてくれる音楽..あ〜、音楽って素晴らしいな♪

さて、今日はツマミグイ演奏で感想を書き難い曲もあるので、幾つかの曲をピックアップして簡単に感想を残しておきましょう。なお、写真は、今年で進水80周年を迎える日本丸(この船影を見ると、何故、西洋では「帆船」が女性名詞なのか分かるような気がします。“貴婦人”と形容するのにピッタリです。)と、クィンズスクウェアにあるモニュメント(白生地の柔らかく滑らかな質感を見事に表現した彫像が素晴らしいです。)です。

エニグマ変奏曲より第9変奏曲「ニムロッド」 
イギリス音楽、とりわけエルガーの演奏で定評がある尾高忠明東京フィルハーモニー交響楽団の演奏でお楽しみ下さい。
http://www.youtube.com/watch?v=WCLb_lPY0XM

先ず、スラブ舞曲ですが、東フィルの真骨頂とも言うべき躍動感のある演奏が聴かれました。チェロとコントラバスのどっしりとした低音をうえを、ヴァイオリンが奔放に舞踊する躍動感のある演奏はさすがです。東フィルの特徴でもある燃焼度の高い引き締まったアンサンブルを楽しめました。

次に、テルツェットですが、ヴァイオリンの清澄な音色とヴィオラの艶やかな音色とが優美に絡み合う洗練されたアンサンブルを楽しめました。中音域が豊かに香り立つヴィオラのプレゼンスが素晴らしかったです。

次に、アメリカですが、実にデリケートな演奏が聴かれ、何度となく鳥肌が立つのを覚えました。チェロのノスタルジックな歌い口は申し分がなく、ファーストヴァイオリンのリリシズムを湛えたカンターヴィレも極上のものでたし、内声部も豊かで、この楽章に独特のスピリチュアルな風情の漂う哀歌を堪能できました。

最後に、道化師の踊りですが、これまた東フィル(弦楽五部)の真骨頂とも言うべきアンサンブル力で、これまたフットワークの軽く筋肉質の引き締まった演奏を楽しめました。常任指揮者がチョンさんからエッティンガーさんに変更になってから東フィルの演奏会へトンと足を運ばなくなってしまいましたが(チョン@東フィルのマーラー・ツィクルスを期待していたのですが..)、久しぶりに聴きに行ってみようかしら。

詳しくは後ほど。