大藝海〜藝術を編む〜

言葉を編む「大言海」(大槻文彦)、音楽を編む「大音海」(湯浅学)に肖って藝術を編む「大藝海」と名付けました。伝統に根差しながらも時代を「革新」する新しい芸術作品とこれを創作・実演する無名でも若く有能な芸術家をジャンルレスにキャッチアップしていきます。

エリザベート王妃国際音楽コンクール

現在、世界三大コンクールの1つエリザベート王妃国際音楽コンクールが開催されていますが、ヴァイオリン部門の決勝(12名)に成田達輝さんが進出した模様です。その中には、世界的に知られる韓国出身の女流ヴァイオリニスト、シン・ヒョンスさんの名前も見られます。公式ホームページに決勝戦の日付がリリースされていますが、成田達輝さんはシン・ヒョンスさんと同じ日の5月22日に演奏し(因みに、シン・ヒョンスさんの伴奏は佐藤卓史さんのようです。)、5月27日に結果発表となるようです。最近は諸事情により成田達輝さんの演奏を聴く機会を得られていませんが、かつての成田達輝さんの演奏を聴く限り、その実力はシン・ヒョンスさんと比べても勝るとも劣らないレベルだと思いますし、世評を聴く限り更に表現の幅を広げて大きく成長されたようなので、是非、上位入賞を果たされるよう日本から応援したいと思います。なお、決勝戦の模様はストリーミングで生中継されますので、お時間の許す方は一緒に応援しましょう!

将来を嘱望された若き12名

▼決勝の日付
http://www.cmireb.be/Concours2/documents/3rdroundCopie13043.pdf
▼成田達輝さんの決勝と準決勝の映像
http://www.cmireb.be/cgi?usr=nzycs4eksa&lg=en&pag=1648&rec=0&frm=0&par=aybabtu

加えて既にご存知の方も多いと思いますが、エリザベート王妃国際音楽コンクールの作曲部門で、酒井健治さんが「バイオリンとオーケストラのための協奏曲」で優勝されました。作曲部門で日本人が入賞するのは西村朗さん以来の快挙とのことで、本当におめでとうございます!因みに、この作品はヴァイオリン部門決勝の課題曲になるようです。

なお、話題は変りますが、JR中央線沿線に新星堂が新コンセプトのお店「新星堂阿佐ヶ谷店」をオープンしたようです。JR中央線沿線(新宿から都下方面)は昔から名曲喫茶やジャズ喫茶等が犇く文化的に懐の深い街が多く、この一帯には文化人も多く居住しており、荻窪には世界の民族音楽のライブを楽しめる僕のお気に入りのお店「サンジャク」もあります。

http://pomkn.cocolog-nifty.com/

新星堂阿佐ヶ谷店はそんな文化薫るJR中央線阿佐ケ谷駅内のショッピングセンター「ダイヤ街」2階にオープンし、隣接するタリーズコーヒーとコラボして、定期的に音楽イベント等を開催し、文化への関心が高い地元客の誘致を狙うそうです。これまでの名曲喫茶やジャズ喫茶は敷居が高く何となくお店に入り難いイメージを持たれていた方も少なくないと思いますが、このように開放的なお店であれば誰でも気軽にコーヒーを飲みながら音楽を楽しむことができるようになるかもしれません。現在、僕は東京都と神奈川県の境界の辺りに住んでいますが、自宅近傍を探してみると意外と音楽を聴きながらコーヒーやお酒、お食事を楽しめるお店が多くあるもので(僕の自宅近傍にある町田にはジャズ喫茶「Nica's」、カレーショップ「モコモコ」、沖縄料理「ニライカナイ」等が犇き、現在改装中ですが相模大野にもジャズのライブが楽しめるお店があります。)、皆さんも自宅近傍に会社帰りや休日のひとときの隠れ家となるような憩いの場所を見付けると、少し贅沢な時間を過せるようになるかもしれませんぞ。

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20120518-00000347-oric-ent

ラフマニノフ 交響曲第2番ホ短調より第3楽章
定番中の定番ですが、ラフマニノフのメロディアスな曲をご紹介しておきます。ラフマニノフは晩年にアメリカに亡命してから全く曲が書けなくなった時期がありますが、ロシアの美しい自然が彼の創造力の源泉だったんですね。ピアノ協奏曲第1番の第一楽章などを聴いているとロシアの自然を描写しているような美しい音に溢れています。

おまけ