大藝海〜藝術を編む〜

言葉を編む「大言海」(大槻文彦)、音楽を編む「大音海」(湯浅学)に肖って藝術を編む「大藝海」と名付けました。伝統に根差しながらも時代を「革新」する新しい芸術作品とこれを創作・実演する無名でも若く有能な芸術家をジャンルレスにキャッチアップしていきます。※※拙サイト及びその記事のリンク、転載、引用、拡散などは固くお断りします。※※

エトワール

【題名】エトワール
【監督】ニルス・タヴェルニエ
【出演】ローラン・イレール
    マリ・アニエス・ジロ
    クレールマリ・オスタ
    マニュエル・ルグリ
    ミテキ・クドー
    パリ・オペラ座ダンサー ほか
【料金】TUTAYA 旧作100円
【感想】
昨日、映画「パリ・オペラ座のすべて」の感想をアップしましたが、この映画はエトワールのみならずパリ・オペラ座に関係する全ての人に焦点をあてその日常を写すドキュメンタリー映画でした。今日はTUTAYAの旧作100円レンタルで映画「エトワール」を借りてきて再視聴したので、その感想を残しておきたいと思います。

エトワール [DVD]

この映画はパリ・オペラ座のエトワールを含むダンサーに焦点をあて、パリ・オペラ座付属のバレエ学校からエトワールに上り詰め、その引退に至るまで、エトワールやダンサーが抱く希望や悩みなどを深堀りする内容になっています。パリ・オペラ座のダンサーはエトワールを頂点にプルミエ・ダンスール(プルミエール・ダンスーズ)、スジェ、コリフェ、カドリーユの5階級に区分されており、エトワールは月給3万5千フラン(2000年現在、欧州ユーロに置き直して円換算すると約月給与350万円)、男性45歳・女性40歳で引退するそうです(引退後はこの若さでも年金が出るそうな)。孤高のエトワールの姿が浮き彫りになる観応えのある内容で、舞台は死ぬほど怖いが麻薬的な魅力があると語っていた言葉が印象的でした。エトワールはその重職のプレッシャーに耐えながら孤独な闘いを続けていかなければならず、ダンサーとしての強靭な肉体はもとより強い精神も必要不可欠だそうです。付属バレエ学校の先生(元エトワール)が引退後に2年間で身長が2cmも縮んで重い関節症に苦しんだという経験談を吐露していましたが、如何にダンサーが肉体を酷使しているのかが分かります。また、この先生がダンサーには才能が一番大事なもので、努力は才能を(作り出すものではなく)引き出すために重要だという趣旨のことを語っていたのが印象的でした。エトワールには生まれ持った才能が必要ということです。パリ・オペラ座ではレパートリーを広げるためにクラシックとモダンの両方の作品に精力的に取り組んでいますが(この映画では「白鳥の湖」と「第九交響曲」などが出てきます)、やはりエトワールの表現力が素晴らしく、その踊りから伝わってくる情報量の多さが他のダンサーとは桁違いであることが実感できます。やはりエトワールは他のダンサーと比べると先天的な素養(センス、身体機能等)が異なるということなのかもしれません。なお、パリ・オペラ座の団員である藤井美帆さんも出演されています。

◆おまけ(バレエから)
【古典】



【モダン】(ボレロは定番ですが、後半(18:00〜)のマーラーの曲に振付けしたダンスも面白いです。)

◆おまけ(オペラも1つ)