大藝海〜藝術を編む〜

言葉を編む「大言海」(大槻文彦)、音楽を編む「大音海」(湯浅学)に肖って藝術を編む「大藝海」と名付けました。伝統に根差しながらも時代を「革新」する新しい芸術作品とこれを創作・実演する無名でも若く有能な芸術家をジャンルレスにキャッチアップしていきます。※※拙サイト及びその記事のリンク、転載、引用などは固くお断りします。※※

人形浄瑠璃文楽名演集 通し狂言 仮名手本忠臣蔵

【ご協力のお願い②】
大阪市は芸術団体への補助金交付に関して観客数に応じて交付金額を増減させる市場評価方式を来年度以降も継続する見通しのようです。国立文楽劇場大阪フィルハーモニー交響楽団等が対象のようですが、(無論、限られた財源のなかで、より公平で納得感がある方式で幅広い芸術団体へ補助金を交付する方法作りは非常に困難を伴うものであると承知したうえで)果たして文化芸術の育成振興を市場評価に晒す方式が妥当性を持ち得るのか、文化芸術の発展史(芸術に大衆性は必要かという問題を含む)を紐解くにつけて大いに議論の余地がありそうですが、先ずは御託を並べるよりも(もし劇場やホールへ行ける環境・状況を取り戻せれば)この年末年始は関東から大阪へ遠征しようかとも考えています。皆さんも芸術鑑賞がてら大阪観光へ“ことりっぷ”してみませんか。
http://mainichi.jp/feature/news/20131112ddn002010045000c.html

【題名】人形浄瑠璃文楽名演集 通し狂言 仮名手本忠臣蔵
【出演】◆大序
     鶴が岡兜改めの段
      竹本相子大夫、竹澤団市 ほか
     恋歌の段
      竹本三輪大夫、竹本南都大夫、鶴澤八介 ほか
      塩谷判官 吉田文雀高師直 吉田作十郎、
      顔世 吉田和生
      若狭助 吉田簑太郎(現、桐竹勘十郎) ほか
    ◆二段目
     桃井館力弥上使の段
      竹本緑大夫、鶴澤清介
     本蔵松切の段
      豊竹小松大夫、野澤勝平(3代 野澤喜左衛門)
      本蔵 桐竹勘十郎(2代)
      戸無瀬 豊松清十郎(4代)
      若狭助 吉田玉松、力弥 桐竹紋寿 ほか
    ◆三段目
     下馬先進物の段 
      竹本三輪大夫、鶴澤清二郎
     腰元おかる文使いの段
      竹本津駒大夫、竹澤団治(現、竹澤宗助)
     殿中刃傷の段 
      豊竹呂大夫、竹澤団七
     裏門の段 
      竹本千歳大夫、鶴澤燕二郎(現、鶴澤燕三)
      おかる 吉田簑助、塩谷判官 吉田文雀
      高師直 吉田作十郎 ほか
    ◆四段目
     花籠の段 
      豊竹呂大夫、鶴澤清介
     塩谷判官切腹の段 
      切 竹本越路大夫、鶴澤清治
     城明渡しの段
      竹本文字栄大夫、鶴澤清二郎
      由良助 吉田玉男、塩谷判官 吉田文雀
      九太夫 吉田作十郎、顔世 吉田文昇 ほか
    ◆五段目
     山崎街道出合の段 
      竹本津国大夫、鶴澤清太郎
     二つ玉の段 
      竹本相生大夫、竹澤団七
      勘平 吉田玉松、与市兵衛 吉田文吾、
      弥五郎 吉田和生、定九郎 吉田玉女 ほか
    ◆六段目
     身売りの段 
      豊竹嶋大夫、野澤錦弥(現、野澤錦糸)
     早野勘平腹切の段
      切 竹本住大夫、鶴澤燕三(5代)
      おかる 吉田簑助、与市兵衛女房 吉田文昇
      勘平 吉田玉松 ほか
    ◆七段目
     祇園一力茶屋の段
      由良助 竹本文字大夫(現、竹本住大夫
      おかる 竹本南部大夫、伴内 豊竹咲大夫
      九太夫 竹本相生大夫
      平右衛門 竹本織大夫(現、竹本綱大夫)
       前 野澤錦糸(4代)
       後 鶴澤燕三(5代)
      由良助 吉田玉男、おかる 吉田簑助
      九太夫 吉田作十郎
      伴内 桐竹紋寿、平右衛門 吉田玉幸 ほか
    ◆八段目
     道行旅路の嫁入 
      竹本津駒大夫、竹本千歳大夫、鶴澤清友
      鶴澤燕二郎(現、鶴澤燕三) ほか
      戸無瀬 吉田文雀、小浪 桐竹紋寿
    ◆九段目
     雪転しの段
      豊竹松香大夫、鶴澤八介
      山科閑居の段
      切 前 竹本住大夫、野澤錦糸
        後 竹本綱大夫、鶴澤清二郎
      由良助 吉田玉男、戸無瀬 吉田文雀
      小浪 桐竹紋寿
      本蔵 吉田玉幸、お石 桐竹一暢 ほか
    ◆十段目
     天河屋の段 
      竹本千歳大夫、野澤錦糸、ツレ 鶴澤清志郎
      由良助 吉田文吾、義平 吉田玉女
      おその 吉田玉英 ほか
      作曲 野澤松之輔
    ◆十一段目
     花水橋引揚の段 
      竹本三輪大夫、竹本文字久大夫、鶴澤浅造 ほか
      由良助 吉田玉男、若狭助 吉田文昇、
      郷右衛門 吉田玉幸、弥五郎 吉田和生 ほか
     光明寺焼香の段
      竹本津国大夫、竹本南司大夫、鶴澤八介 ほか
      由良助 吉田玉男、郷右衛門 吉田玉松
      平右衛門 吉田玉幸、弥五郎 桐竹一暢 ほか
【販売】NHKエンタープライズ
【発売】2010年11月26日
【感想】
今年は近松門左衛門の生誕360周年ということで人形浄瑠璃文楽でも色々な催し物があったようですが、残念ながら、ご案内のとおり諸事情によって観に行くことができませんでした。今日12月14日(但し、新暦では1月30日)は赤穂浪士が吉良邸へ討ち入った日になりますが、久しぶりに人形浄瑠璃文楽の名演を収めたDVD「仮名手本忠臣蔵」を観ることにしましたので、簡単に感想を残しておきたいと思います。

続く。

【1701年3月14日(新暦、同年4月21日)】

風さそう 花よりもなお 我はまた 春の名残を いかにとかせん(浅野内匠頭辞世の句)


左から歌川国芳仮名手本忠臣蔵 三段目 殿中刃傷の場」。江戸城平川門(不浄門)。浅野内匠頭切腹した陸奥一関藩田村邸跡。浅野内匠頭切腹時の血染めの石と梅。

【1702年12月14日(新暦、翌年1月30日)】

  • 04時00分頃 吉良邸(両国三丁目)へ討入り。
  • 06時00分頃 吉良邸を引揚げ。

<吉良邸〜隅田川沿いを南下〜万年橋・永代橋を渡橋〜播州赤穂藩江戸上屋敷(聖路加看護大学)・築地本願寺前を通過〜国道15号線(当時は海岸線)沿いを南下〜泉岳寺

  • 09時00分頃 泉岳寺(高輪)へ到着。
  • 10時00分頃 浅野内匠頭の墓前で報告。
  • 18時00分頃 泉岳寺を出立。
  • 21時00分頃 大目付仙石伯奢守邸(虎の門二丁目)へ到着
  • 02時00分頃 お預け先の各藩邸(細川、松平、毛利)へ到着



上段左から吉良邸跡(勝海舟の生誕地が直ぐ近く)と吉良上野介の首級を洗った井戸。葛飾北斎画「吉良邸討ち入り」で、葛飾北斎は幕府御用鏡師の中島伊勢の養子(妾の子)であったと言われており、その中島伊勢の住宅が吉良邸の真向いにありました。播州赤穂藩江戸上屋敷跡(聖路加看護大学)。下段左から泉岳寺浅野内匠頭の墓前に供える前に吉良上野介の首級を再び洗った井戸。泉岳寺内の浅野家墓所門(播州赤穂藩江戸上屋敷裏門を移築)。浅野内匠頭の墓。

【1703年2月4日(新暦、同年3月20日)】

あら楽し 思ひは晴るる 身は捨つる 浮き世の月に かかる雲なし(大石内蔵助辞世の句)


左から大石内蔵助ほか16名が切腹した肥後熊本藩江戸下屋敷(高輪一丁目アパート)。三田にあった松平家のこの梅の木の下で大石主税ほか9名が切腹泉岳寺にある浅野内匠頭の墓に寄り添うようにして眠る大石内蔵助赤穂義士の墓々。

http://tabikore.com/album/796

ブログの枕とDVDの感想は後ほど。続く。


http://www.shochiku.co.jp/play/kabukiza/schedule/2013/12/_1_52.php






上段の左から内堀り、大手門(高麗門)、大手門(櫓門)、百人番所と大手町の高層ビル群、下段の左から本丸跡(右手が天守台、左手が松の廊下)、松の廊下跡、松の廊下から大奥&天守台方向(この辺一体が松の廊下)、江戸城内地図。松の廊下で刃傷事件があった1701年(バッハや松尾芭蕉が生きていた時代)から約300年を経過していますが、江戸と東京の街並みのみならず日本人の気質までもが随分と様変わりしています。



上段の左から海ほたるから撮影した東京全景、東京スカイツリー八重洲から新橋方面(画面中央のツィンタワーの向う側に歌舞伎座があります。)、東京タワーとレインボーブリッジ、下段の左から六本木から新宿方面(画面右の一番高いビルが六本木ヒルズ、画面左の飛行機の下にあるビルが東京オペラシティー)、羽田空港(円筒形の建物が管制塔)、川崎駅方面(画面中央よりやや左手の3つ突起がある建物の直ぐ近くがミューザ川崎)、横浜ランドマークタワーと横浜ベイブリッジ。本懐を遂げた赤穂浪士は朝6時に東京スカイツリーの周辺にある吉良邸を出立し、八重洲の向こう側にある江戸城を横目に海岸線沿いを南下して朝9時に東京タワーの先にある泉岳寺へ到着したようです。


江戸の空には飛んでいなかった飛行機の腹

ブログの枕とDVDの感想は後ほど。続く。


浮絵忠臣蔵より四段目判官切腹の場面(歌川国直)

◆おまけ
仮名手本忠臣蔵より四段目判官切腹の段