ぶらあび

ジャンルを超え、地域を超え、時代を超えて「時間芸術」(音楽、文学、話芸、香道…)、「空間芸術」(建築、彫刻、陶芸、絵画、書道、華道…)、「総合芸術」(舞踊、演劇、映画、茶道…)など芸術全般の感想を書き綴ります。(オススメ公演情報等はスマホ版で表示されないのでPC版でご覧下さい。)

クラシックミステリー 名曲探偵アマデウス「リスト “ラ・カンパネラ”」

【題名】クラシックミステリー 名曲探偵アマデウス「リスト “ラ・カンパネラ”」
【放送】NHK−BSプレミアム
    平成24年11月14日(木)12時00分〜12時45分
【司会】筧利夫
    鈴木杏
    鈴木砂羽
【出演】小山実稚恵(ピアニスト)
    中川賢一(桐朋学園大学音楽学部講師/ピアニスト)
【感想】
先日、サムスンの“GARAXY S5”(後継機種は“GALAXY Note Edge”)を購入しました。前評判と異なり“iPhone 6”がハイレゾ音源に対応していなかったので、散々迷った挙句、(ハイレイゾ音源をヘッドフォンで再生してもハイパーソニックを十分に体感できないという方もいますが)今回はハイレゾ音源に対応している携帯端末を選びました。このほかに、ハイレイゾ音源に対応している端末としてソフトバンクから“Xperia Z3”がリリースされる予定なので、ハイレイゾ音源に興味がある音楽好きの方は買替えをご検討されてみてはいかがでしょうか。

ジョー・ブラックをよろしく [DVD]

ジョー・ブラックをよろしく [DVD]

  • 発売日: 2012/04/13
  • メディア: DVD
そんな訳で今日は携帯端末と戯れながら、ブラッド・ピットが主演している映画「ジョー・ブラックをよろしく」(原題:Meet Joe Black)を拝見し、古今東西の「橋」が果たしてきた宗教的又は芸術的な意義について少し思うところあり、ブログの枕として戯言を並べ立てようという趣向です(以下、ネタバレ注意)。この映画をご覧になった方も多いと思いますが、死期の近い大富豪パリッシュ(アンソニー・ホプキンス)のもとに娘スーザンの友人に憑依した死神(ブラッド・ピット)が降臨します。死神はパリッシュとの約束でパリッシュの寿命を65歳の誕生日まで延ばすことになり、それまでの間、死神はスーザンの友人に憑依したまま人間界を見学し、やがてスーザンと恋仲に堕ちるというロマンティック・ファンタジーです。死神はパリッシュとの約束とおり65歳の誕生パーティーの最中にパリッシュを天国へ召しますが、そのラストシーンでパーティー会場となっている庭園に架かっている丸橋(神社の境内に架かっている御神霊や参拝者が渡るための太鼓橋を彷彿とさせるもの)が印象的に使われています。このシーンでは、丸橋を挟んでパリッシュがこの世の名残りを惜しむパーティー会場(此方、光に包まれる現世)と、その向こう側に死神が待つ庭園(彼方、闇に包まれる冥界)が印象的に対比して描かれ、この世への名残りを断ち切ってパリッシュがパーティー会場を一人静かに離れて死神と並んで此方(現世)から彼方(冥界)へと渡橋してきます。その二人の後ろ姿を見て直観的に悟ったスーザンは二人の後を追おうとしますが、死神はパリッシュの親心を汲んでスーザンも一緒に天国へ召したいという恋慕の情を断ち切り、スーザンに渡橋(後を追うこと)することを思い止まらせるために死神とパリッシュの姿が消えた丸橋の彼方(冥界)から死神が憑依していないスーザンの友人(恋人)だけを再び此方(現世)へ送り返し、“彼”と現世で幸せな人生を全うするように促すという結末です。このシーンに登場する丸橋は能舞台の「橋掛り」を彷彿とさせます。即ち、能は「鏡の間」(彼方、異界)と「舞台」(此方、現世)との間に「橋掛り」(異界と現世とを結ぶ臍の緒)がありますが、能の多くの曲は「鏡の間」から「橋掛り」を通って異界の者(亡霊等)が「舞台」に現れ、この世の無念等を謡い舞って消え失せるという顕在劇の形態をとります。ここでも“橋”は二つの異なる世界(現世と異界、批岸と彼岸、日常と非日常等)を結び、出会いと別れの場としてドラマを生み舞台を演出する機能を果たしています。日本では、現世と冥界との境に三途の川(“三途の川”とはこの川を渡る途が三つあることに由来し、善人は橋を渡ることができますが、小悪人は川の浅瀬を、大悪人は川の深瀬を渡らなければならないと言われています。「地蔵菩薩発心因縁十王経」の“一山水瀬。二江深淵。三有橋渡。”)が流れ、その川に橋が架けられていると考えられていますが(因みに、地獄のことをサンスクリット語で“Naraka”(ナラカ)と言いますが、ここから舞台の底のことを“奈落”(ナラク)と言うようになりました。)、これと同じような考え方は西洋にも見られ、例えば、ダンテ「神曲」地獄篇では、地獄にはアケローン川が流れ、冥府の渡し守カロンの舟に乗って地獄へ行き着くとされています。


土佐光信「十王図」三途川の画
善人は橋を渡り、悪人は急流に投げ込まれる様子が描かれています。また、六文銭を持たない死者が三途の川の渡し賃の代りに衣類を剥ぎ取られる姿も描かれていますが、その六文銭真田家の家紋になっています。因みに、千葉県長生郡長南町には“三途川”という名前の川があり橋が架けられていますが、これまでのところ川を渡った人が戻って来れなくなったという話は聞かないのでご心配なく..。このほかに宮城県蔵王青森県の恐山にも三途川という名前の川が存在します。

キリスト教ではヨルダン川が三途の川に相当する役割を果たし、神の国(天上界)と罪の国(地上界)の境と考えられています。旧約聖書ヨシュア記には、モーセの後継者ヨシュア(ヘブル語で“救世主”の意味)に率いられたイスラエル人がヨルダン川東岸から西岸へ渡河し、約束の地カナンへ移住したことが記されていますが、ヨシュアに率いられてイスラエル人がヨルダン川を渡河したことは神の民がイエスに導かれて神の国へ入ることに準えられて語られることがあります。当時は橋や舟がなくヨルダン川を渡河するのは命懸けだったと思いますが(ご案内のとおり死海(他の海と比べて塩分濃度が約10倍なので生物の生息は不可)へと注ぐヨルダン川は急流で死の川とも呼ばれています)、ヨルダン川は罪を洗い流す川であると共に、罪人が渡れない(永遠の劫罰へと魂を沈める)川であって、罪を悔い改めなければヨルダン川東岸(罪の国)から西岸へ渡河し(新約聖書ではヨルダン川は洗礼者ヨハネが人々に懺悔を説いて洗礼活動を行い、イエスに洗礼を授けた神聖な場所として記されています)、約束の地カナン(神の国)へ入ること(ヨルダン川渡河の軌跡)はできないという考え方に結び付いています。因みに、能「墨田川」では、シンボリックな意味で墨田川西岸が現世、東岸が冥界という描き方がされていますが、洋の東西を問わず川は現世と冥界との境であり、その間を橋又は渡し守(ヨシュアは天国への渡し守と言えましょうか)がつないでいて、罪人は容易に渡ることができないという共通のイメージがあるようです。なお、有名な黒人霊歌「深い河」はアフリカからアメリカに連れて来られた黒人奴隷が自分達の境遇をキリスト教の信仰に準えて歌にしたもので(詳しくは別の機会に触れますが、この黒人奴隷の中からジャズ等が生まれたことはご案内のとおり)、この世の苦しみから逃れ深い河(=ヨルダン川)を渡って天国へ行きたいという悲哀が歌われています。因みに、「怖い絵」で有名なドイツ文学者の中野京子さんが「橋をめぐる物語」という面白い本を執筆されていらしゃいますが、その中でゾロアスター教の「審判者の橋」やマホメット教の「細長い橋」など現世と冥界とをつなぐ橋が紹介されていますので、詳しくは本を買ってお読み下さい。


左から、1枚目:ご当地キティ―「落花生かぶりキティー」と千葉県産落花生で造ったピーナッツバター。映画「ジョー・ブラックをよろしく」のなかで死神(ブラッド・ピット)がピーナッツバターを舐めるシーンが度々登場しますが、(故郷自慢で恐縮ですが)日本の落花生(ピーナッツ)の約80%は千葉県産と言われており、千葉県産の落花生(ピーナッツ)は実に香ばしく生豆のままでも十分にテイスティーです。千葉県内でも一番の収穫量を誇る八街市のあたりを車で走ると落花生(ピーナッツ)専門店をよく見かけますが、生豆の他にも、ゆで豆、いり豆、炊込ご飯やお菓子(和・洋菓子)など様々な料理法や楽しみ方があり、お近くに来られた際に落花生(ピーナッツ)専門店に立ち寄られると色々と面白い発見があるかもしれません。2〜3枚目:落花生のゆるキャラ「ピーちゃんナッちゃん」と「ぼっちくん」、落花生畑の「ぼっち」。ひと昔前、日本全国でゆるキャラがブームになりましたが、千葉県内でも一番の収穫量を誇る八街市には落花生の殻を模ったピーちゃんナッちゃんと落花生畑の“ぼっち”(落花生を天日干しするために野積みにしたもの)を模ったぼっちくんというゆるキャラがあり、落花生(ピーナッツ)と同様に人々からこよなく愛されています。因みに、落花生は1つの殻に2粒の豆が入っていることから数字の“1”を1粒の豆に見立て11月11日をピーナッツの日としています。ピーナッツは便秘によく効き、美容や健康にも良いそうなので、来る11月11日は、本場、千葉県産の落花生(ピーナッツ)を食べて、体に“い(1)い(1)日”にしてみませんか。4〜5枚目:千葉県のゆるキャラチーバくん”。現在、総武線の車両にチーバくんがプリントされたものが走っていたのでご覧になられた方も多いと思いますが、千葉県のゆるキャラチーバくん”は千葉県のフォルムを模って強引にキャラクター化したもので、丁度、角が野田市、舌が浦安市、耳が銚子市、足が館山市にあたるチン(バ)獣です。富津岬の部分を出ベソにするか否かを巡って大論争になったらしく、結局、富津岬を切り捨て出ベソにしないことになったそうですが、そのうち“チーバくん”に出ベソの弟が登場するのではないかとも噂されています。

ショスタコーヴィチの歌劇「ムツェンスク群のマクベス夫人」


左上段から1〜4枚目:晴海埠頭に寄港している世界でも屈指、日本最大級の豪華客船「飛鳥Ⅱ」タイタニック号や戦艦大和と同じくらいの大きさです。レインボーブリッジの下を通過する写真が欲しかったのですが、タイミングが悪く失敗してしまいました。上述の携帯電話によるコミュニケーションも人々を結ぶ橋の役割を果たしていますし、世界を巡る豪華客船も同じく世界中の人々を結ぶ橋の役割を果たしていると言えます。左下段から1〜4枚目:晴海埠頭に寄港している世界最初のマンション型豪華客船「THE WORLD」。この日は珍しく晴海埠頭には「飛鳥Ⅱ」と「THE WORLD」の二隻の豪華客船が寄港していましたが、人々の様々な想いや夢を乗せて世界中を旅する豪華客船にはロマンが感じられます。飛行機の旅と違って豪華客船の旅はゆっくりと自分自身や自分の人生を見詰め直す時間が与えられるところに大きな魅力があり、いつか大海原の上で自分自身と向き合って自分の半生を振り返る時間を持ちたいものだと憧れています。救命ボートも豪華なので、これならいつか乗ってみたい気にさせられます..。

さて、今日は撮り溜めていたクラシックミステリー 名曲探偵アマデウスを観たので、その概要を簡単に残しておきたいと思います。


執筆中。続く。


◆おまけ
ダンテ「神曲」を題材にした曲を3曲ほどご紹介しておきます。
リストの「ダンテの神曲による交響曲」より抜粋

チャイコフスキーの幻想曲「フランチェスカ・ダ・リミニ」より抜粋

ラフマニノフの歌劇「フランチェスカ・ダ・リミニ」より抜粋