大藝海〜藝術を編む〜

言葉を編む「大言海」(大槻文彦)、音楽を編む「大音海」(湯浅学)に肖って藝術を編む「大藝海」と名付けました。伝統に根差しながらも時代を「革新」する新しい芸術作品とこれを創作・実演する無名でも若く有能な芸術家をジャンルレスにキャッチアップしていきます。※※拙サイト及びその記事のリンク、転載、引用などは固くお断りします。※※

レ・ミゼラブル(原題 Les Misérables)

【題名】レ・ミゼラブル(原題 Les Miserables)
【監督】トム・フーパー
【原作】ヴィクトル・ユーゴー
【脚本】クロード=ミシェル・シェーンベルク
    アラン・ブーブリル
    ハーバート・クレッツマー
    ウィリアム・ニコルソン
【音楽】クロード=ミシェル・シェーンベルク
【出演】ジャン・バルジャン ヒュー・ジャックマン
    ジャベール ラッセル・クロウ
    ファンティーヌ アン・ハサウェイ
【収録】2012年(イギリス)
【感想】
昨日7月7日はロマンチックにも織姫星(こと座の1等星ベガ)と夏彦星(わし座の1等星アルタイル)が天の川を挟んで見つめ合う七夕でしたが、今日7月8日は物々しくも160年前(1853年)にペリー率いるアメリカ合衆国海軍東インド艦隊が浦賀沖(久里浜)に来航して大砲を挟んで睨み合った日でした。NHK大河ドラマ「八重の桜」の主人公、山本八重さんは1845年生れ、ペリー来航から僅か15年後の1868年(未だ23歳の若さ!)に会津戦争を経て明治維新となりますので、ペリー来航を契機として日本が一気に開国、倒幕へと雪崩込んだ時代の節目にあたる激動期です。因みに、日本初のグランドオペラ山田耕筰が作曲した歌劇「黒船」で、黒船来航と同時代に名声を博していた作曲家にはシューマン、リスト、ワーグナーヴェルディなどがいます。当時、黒船視察に来た吉田松陰佐久間象山などが宿泊した徳田屋跡が残されていますので、当時の日本人が黒船(新しい時代)をどのように見通していたのか思いを馳せてみるも良し、また、久里浜港(神奈川県横須賀市)から金谷港(千葉県富津市)まで東京湾フェリーが就航していますので、黒船(米国)から日本という国がどのように見えていたのか思いを馳せてみるも良し、一年に一度くらい、近代日本の原点に立ち戻り、世界の中の日本という視点で、この国を見つめ直してみるのも良いかもしれません。

Soft BankのiPhone用のアプリ“Star Walk”を使って、星座の地図を紐解きながらギリシャ神話の世界を旅してみてはいかが。


左から当時の久里浜、黒船サスケハナ号、現代の久里浜、黒船が停泊していたあたり

左から東京湾から三浦半島、男の海東京湾、鋸山から三浦半島(小さく見えるのが東京湾フェリー)、金谷港の東京湾フェリー

なお、金谷港を見下ろすように聳え立っているのが鋸山(のこぎりやま)で、房州石と呼ばれる良質の石材が採掘されることから江戸時代から盛んに採石が行われ、現在も石切場跡が残存しています。その露出した山肌の岩が鋸の歯状に見えることから「鋸山」と呼ばれています。とりわけ「地獄のぞき」はその美しい眺望と共に観光名所として知られています。その急峻な断崖絶壁を前にすると思い切りチビリってしまいますが、そんなことはどうでもよくなってしまうくらい本当に恐ろしいところです。実際に行ってみると分かりますが、自然と足が震えてきて、腰が引けるとうか抜けるというか、上半身と下半身が完全に分離されてしまったような無様なことになってしまいます。僕も鉄柵にへばりついているのがやっとでした。お試しあれ。


左から横から見た地獄のぞき、後から見た地獄のぞき、海岸線の眺望、百尺観音

さて、皆さんご案内のとおり諸事情あって、とうとう映画館には観に行けず仕舞いになってしまったミュージカル映画レ・ミゼラブル」ですが(こういう作品こそ音響設備の良い映画館で観たかったのですが…)、早くもDVDがリリースされたのでTUTAYAで借りて観ることにしました。アメリカからやってきたと言えば黒船のほかに忘れてはならないのがミュージカル...どんなに運命に翻弄されながらも人生の素晴らしさを高らかに歌い上げて行く“人生の賛歌”ともいうべきミュージカルは、人生に行き詰ったときや落ち込んだときに観ると生きる勇気のようなものを与えてくれます。

現在、感想を執筆中。

続く。