大藝海〜藝術を編む〜

言葉を編む「大言海」(大槻文彦)、音楽を編む「大音海」(湯浅学)に肖って藝術を編む「大藝海」と名付けました。伝統に根差しながらも時代を「革新」する新しい芸術作品とこれを創作・実演する無名でも若く有能な芸術家をジャンルレスにキャッチアップしていきます。※※拙サイト及びその記事のリンク、転載、引用などは固くお断りします。※※

ピアノはいつピアノになったか?

【題名】ピアノはいつピアノになったか?
【著者】伊東信宏、松本彰、渡辺裕、渡邊順生、村田千尋、s.ギニャール、岡田暁生小沼純一三輪眞弘
【出版】大阪大学出版
【発売】2007年3月30日
【値段】1700円
【感想】
現在、NHK総合でドラマ10「第二楽章」という連続ドラマの放送が開始されています。プロとして成功を収めた現役の音楽家と、幸せな家庭を築くためにプロの途を断念した元音楽家、2人のアラフォー世代の女性の葛藤を描いたドラマで、おそらく音楽家の方(とりわけ出産・育児を避けて通れない女性)であれば切実な問題ではないかと思います。このドラマの面白いところは40代の女性を主人公に設定しているところで、プロの演奏家であれば有能な若手の台頭によって行き詰まりを見せてくる頃ですし、家庭の主婦であれば子離れして自分の人生を見つめ直す頃ではないかと思います。このドラマのタイトルである「第二楽章」というのも、そういう40代の人間が迎える人生の節目(第二の人生を考え直す時期)という意味が込められているのだと思います。スメタナ弦楽四重奏曲第1番「わが生涯より」という自叙伝的作品を残していますが、第二楽章又は第三楽章に置かれる緩徐楽章のように40代は自分の人生の歩みを緩めて懐かしい青春期に思いを馳せながら再び自分の人生を見つめ直して見る時期なのかもしれません。そんな印象の同曲第三楽章をお聴きあれ。

スメタナ 弦楽四重奏曲第1番「わが生涯より」から第三楽章

なお、このドラマの主題歌のために山下達郎さんが「コンポジション」という曲を書き下ろしていますが、アラフォー世代にとってはセピア色のアルバムを捲るような青春の匂いがする懐かしいサンドに胸が締め付けられるような思いがするのでは..。

http://www.nhk.or.jp/drama10/dainigakushou/

▼番組紹介

なお、丁度、いま藤の花が見頃ですが、近所に咲いている藤の花の写真をアップしておきます。因みに、妙福寺(千葉県銚子市)ではGWに藤まつりが開催され、夜には藤の花がライトアップされて幻想的です。縦横浜10mを超す一番大きな藤棚は樹齢は750年を超し、まるで龍が寝ているかのように根づいていることから「臥龍の藤」と呼ばれている有名な藤棚です。また、あしかがフラワーパークの大藤も大層見事なもので、死ぬまでに一度は見ておきたいもの。GWに予定がない方は、藤の花見はいかが。


左から、�近所の藤の花、�妙福寺の「臥龍の藤」、��あしかがフラワーパークの「大藤」と「むらさき藤」

藤波の 咲く春の野に 延ふ葛の 下よし恋ひば 久しくもあらむ万葉集

かなり昔に購入した本ですが、簡単に感想を残しておきたいと思い再読しました。続く....。毎度、“続く”で申し訳ございませんが、よくよく咀嚼したうえで感想を書くことにしています。以下の書き掛け分も含めて、きちんと読んでいますので少々お待ち下さい。

ピアノはいつピアノになったか? (阪大リーブル001)【CD付】

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